公募情報

近年、種間で保存された機能ドメインを持たずに重要な生理機能を果たす長鎖ノンコーディングRNAや超天然変性タンパク質などのバイオポリマーが次々と報告されるようになってきました。これらの分子は特定の立体構造を取りにくいという共通の性質を持っており、一次配列が立体構造を決め、構造が機能を決定するというこれまでの分子生物学の教義とは異なる、独自の分子機構で生理機能を発揮していることが予想されます。本領域では一次配列からの機能予測が困難なRNAやタンパク質を「非ドメイン型バイオポリマー」と定義し、その生理機能から分子動作機構まで階層横断的な解析を進め、一次配列への依存性を高めずに機能を獲得する生物の新たな機能獲得戦略を明らかにすることを目指しています。

本公募研究では独自に発見した新規の非ドメイン型バイオポリマーの解析を歓迎しますが、既知の分子であっても、mRNAの非翻訳領域やタンパク質の天然変性領域のように、種間での配列保存性が低く、一次配列から機能を予測することが困難な領域に注目した研究も歓迎します。

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400万円/年を18件採択予定です。

 

A01 生理機能ユニット

A01生理機能ユニットでは、非ドメイン型バイオポリマーの生理機能を個体レベルで検証する課題を募集します。計画研究ではモデル動物としてマウスとショウジョウバエを用いていますが、シロイヌナズナ、線虫、ゼブラフィッシュなどのモデル生物や、各種非モデル生物を用いた研究も歓迎します。

A02 細胞機能ユニット

A02細胞機能ユニットでは、非ドメイン型バイオポリマーの機能を、培養細胞を用いた分子生物学的な手法、ならびに生化学的な手法で明らかにする研究提案を募集します。また、CRISPRライブラリー等の大規模スクリーニング技術を用いて新規非ドメイン型バイオポリマーを同定する研究課題や、既知分子の大規模変異分子解析を行う課題も歓迎します。

A03 分子機構ユニット

A03分子機構ユニットでは非ドメイン型バイオポリマーが機能する際の詳細な分子機構を明らかにする研究課題を採択します。また、非ドメイン型バイオポリマーの振るまいをソフトマター物理学的な視点によって明らかにしようとする課題や、生物情報学的な手法で非ドメイン型バイオポリマーに共通した配列の特徴を解析するような課題もこのユニットで募集します。