第32回 Tokyo RNA Club レポート

 

 

はじめまして、東京大学定量生命科学研究所RNA機能研究分野泊研究室所属の薛と申します。超天然変性タンパク質であるHeroタンパク質のヒト神経細胞でのはたらきを研究している博士課程1年生です。

11月12日に開催された第32回Tokyo RNA Clubは、RNAにとどまらない多岐にわたる分野の研究者による講演会でした。私は天然変性領域の配列と機能やストレス顆粒の研究そしている方々の講演があると知り、いそいそと秋の訪れを感じる駒場まで出かけていきました。

もともと興味のあった演題以外もどれも大変面白かったですが、特に細胞内の分子クラウディング、生細胞での翻訳の一分子イメージング、リボソームタンパク質修飾の翻訳スピードへの影響といった話題が大変興味深かったです。活発な議論の様子にワクワクし、思いがけない話題に出会うのはこういった講演会の醍醐味だと感じられました。

今回の会では、感染対策に配慮しつつ、講演会の発表者や他の参加者と交流する場がささやかながら設けられていました。交流会やその帰り道で、発表の内容を議論したり、最近の研究の些末な進捗について話したりしたのがとても新鮮でした。というのも、コロナ禍と同時に修士課程がはじまった私にとって、学会や研究会はオンラインで行われるものでした。オンラインでの会は基本的に終わってしまったら、接続を切ってすぐに一人になってしまうので、感想会やなんとはなしの近況報告などで余韻を感じることがなかったのです。

Zoom開催では遠方でも気兼ねなく参加できるという利点がある一方で、対面開催で交流会のある会もよいものだと改めて実感した会でした。

最後になりますが、Tokyo RNA Clubを運営し、多岐にわたるテーマでの講演会を頻繁に実施してくださっている皆様に厚く御礼申し上げます。これからも積極的に参加していきたいと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。

薛 世玲那

 

季節を教えてくれる日々の彩り

投稿者プロフィール

薛 世玲那東京大学新領域創成科学研究科 博士課程